『お浄土 すべてのいのちが輝く世界』

阿弥陀如来という仏さまは、修行中には法蔵菩薩と名乗っておられました。

そして師である世自在王仏(せじざいおうぶつ)のもとで、完璧な浄土を作るために五劫という長い間考えられ四十八の願いを誓われました。

そして、長い修行の結果、その四十八の願いをすべて成し遂げ完璧な極楽浄土(お浄土)を完成され自ら阿弥陀仏と名のられ、最高の仏になられました。

阿弥陀仏の願いとは、十方世界の誰もがお浄土に生まれたいと願い、そのことを喜んで南無阿弥陀仏とその仏名を称えれば仏になる身に定まり、この世の命がつきた時にお浄土に生まれて、阿弥陀仏と同体(等しい)悟りを開くことができると誓われました。

私たち、お念仏の教えに生きる真宗門徒はこの本願のはたらきにより、必ずお浄土に生まれる身に定まっています。

だから死ぬことを恐れたり悩んだりせず安心して日々を送ることができます。

ただし、仏教とは死後のことを説いた教えではありません。

誰でも必ず死んでいかねばならない私たちだからこそ、今を力一杯生き抜いていかねばなりません。

その力の源となるのが、仏教、仏様の教えです。

どんなに文明が発達しようとも、どんなに世の中が便利になろうとも、必ず生まれたものには死ぬときがやってきます。

そして誰にもいつ命がつきるか分かりません。

蓮如上人は我やさき人やさき、今日とも知らず明日とも知らずと私たちにいわれております。

いつ終わるか分からないこの命だからこそ、今日一日を精一杯生き抜き、いただいた命を輝かせるのが私たちのつとめではないでしょうか。

命きらきら輝く世界、お浄土に生まれる身を喜びながら、命ある限り今この瞬間の命をかがやかせて生き抜きたいものです。