「大宇宙と三千大千世界」(中旬)我々は皆、星から生まれてきたのです

宇宙の中で我々は、どこから来た野でしょうか。

皆さんは、お母さんから生まれましたね。

お母さんはおばあさんから生まれました。

何も不思議はありません。

その先をずっとたどっていくと、まず猿と人間が分かれたというのがあります。

そのまたずっとずっと先をたどっていくと、どうなっていたのでしょうか。

宇宙が誕生したのは137億年前ですが、太陽や地球が生まれたのは46億年前のことです。

宇宙と太陽は同時に生まれたわけではなく、宇宙が生まれてから約90億年たって地球は生まれました。

では、太陽や地球が生まれるまでの90億年の間に何があったのでしょう。

まず太陽の話からしましょう。

太陽はほとんどが水素で出来ていて、地球よりもずっと重いのです。

太陽は表面が赤々と燃えているように見えますが、実際は表面が燃えているわけではなく、中心で核融合という燃え方をしています。

太陽の中心で水爆が連続的に起こっていると考えていいでしょう。

これが46億年続いているのです。

燃料はたくさんあるので、まだ燃えるのですが、燃えかすであるヘリウムは増えていきます。

いるとどうなるかというと、ヘリウムが重たいので、中心にヘリウムがたまり、その周りで水素が燃えていくことになるんです。

こういう状態になると、太陽はやがて膨れ上がり、やがて地球はその膨張した太陽に飲み込まれてしまいます。

ですが、それは50億年も先のことですから、今心配することはありません。

太陽は約100億年で星の一生を終えるのですが、例えば太陽より10倍くらい重たい星は、まず中心で水素が燃えてヘリウムがたまり、次にヘリウムが中心で燃えていきます。

ヘリウムが燃えると炭素や酸素ができ、その層がまた中心で燃え始めると酸素やネオンができ、それが燃え始めるとシリコン、マグネシウム、鉄にまで進み、玉ねぎのような構造の星になります。

この状態になると星が大爆発を起こします。

これを

「超新星爆発」

と言います。

星の大きさが例えば太陽くらいだったら、膨張していってまた元のガスに戻るのですが、大きな星は超新星爆発を起こして、鉄やシリコンや酸素や炭素など、星の中で作ったものを宇宙に戻し、その中からまた新たに星ができていくのです。

このような星の一生のサイクルを、宇宙が始まった137億年前から46億年前までにかけて何回も繰り返し、そうして90億年くらいたった時に、ある所で太陽とその周りの地球が生まれたのです。

ですから、我々の身体を構成する物質には、酸素とか炭素とかシリコンとか土が含まれていますが、それらはすべて宇宙とつながっていたと言えるわけです。

宇宙の始まりの90億年の間に、長い時間をかけて仕込まれてきたのです。

ある種、輪廻をほうふつとさせますよね。

我々は、お母さんやお父さんや兄弟みんなのお蔭で生きていますし、お寺でいうと阿弥陀さまのお蔭で過ごさせてもらい、生かさせてもらっているわけですが、物質的に言いますと、星から生まれてきているわけです。