外国に出かける場合、ポスポート(旅券)はもちろんのこと、それ以外に査証(ビザ)を

外国に出かける場合、ポスポート(旅券)はもちろんのこと、それ以外に査証(ビザ)を必要とする国も多くあります。

国によって様々ですが、観光目的で定められた期日以内の滞在であればビザは必要なかったり、いかなる理由においても入国に際しては必ずビザを求められたり、あるいはその時の日本との外交状況にもよったりと、ビザ申請の要不要から日本とその国の関係を垣間見るのも、何となく興味深い気もします。

麻薬や密輸、不法就労・滞在など、日本でも外国人による犯罪、事件の報道を見聞きしますが、やはり一つには国の治安、自国民の生活や安全、何よりもその国ならではの伝統や生活習慣が海外からの旅行者により壊されてしまうことへの懸念から、国家として自国の文化を守るために、外国人の来訪に関しては徹底して厳しい審査が設けられていたりするのでしょうか。

昨年のブータン国王夫妻の来日は、日本国内で大きな話題となりましたが、経済至上主義の蔓延した社会ではなく、国民生活の幸福度に重きを置くブータンも、外国の価値観からあまり影響を受けることのないよう、外国人の入国にはかなりの制限があると聞きます。

今月(5月)初め、個人的にカンボジアの友だちを日本に招待するために、半年程前からその彼と電話やメールでやりとりをしてきました。

そしていよいよ日本へのチケットも購入を済ませ残り1カ月となった4月当初、ふいにビザの話になり、日本に行くにはビザがいるかどうかということになりました。

その友だちは数年前にも一度日本に来たことはあるのですが、その時は団体でのホームステイで来日したため、ビザ申請など一切の手続きについてはノータッチだったとのこと。

そこで今回いろいろと調べてみたところ、日本に入国するにはビザ申請に大がかりな準備がいることが発覚しました。

私たち日本人がカンボジアに行く場合は、空路ですと現地の空港に着いて入国審査レーンの手前にビザカウンターがあり、その場で申請し、スムーズにいけば5分ほどでビザが発給されます。

そこで、カンボジア人が日本に来るのもそれぐらい簡単なことと考えていたのですが、これがとんでもないことでした。

カンボジア人が日本に入国する場合、まず受け入れ先(滞在先)となる私の身元保証書、招へい理由書。

そして住民票、所得証明書、銀行の残高証明等の公的機関の発行する必要書類。

更には本人達が一緒に写っている写真まで、これら一式をまず日本で私が用意をし、それをカンボジアの友だちに郵送。

その日本からの書類を持って現地の日本大使館に行き、初めてビザの申請ができるというのです。

このことに気がついたのがもうすでに1カ月もきった頃。

すぐさま役所や銀行に行きますが、新年度を迎え窓口には長蛇の列。

それでもようやく必要書類を揃え、きちんと届くのか不安と緊張の中、初めてのエアメールをカンボジアに送りました。

そして10日後、無事カンボジアに書類が届き大使館にも申請を済ませ

「I am waiting to get the Visa.」

今はビザができるのを待っていますとの嬉しいメールが彼から届いたときにはホッと胸をなで下ろしたことです。

今回、この過程を通じて初めて感じたことですが、私たちが日本人としてそこまで厳しい審査もなく外国にいけるということは、日本という国の信用性、これまでの日本人旅行者の資質など、日本がこれまで築いてきた評価の歴史を深く認識した次第です。

また思いがけず今の自分の所得や自己資産というものを確認できたというのも、良かったのか悪かったのか、このままでいいのかとの思いも少なからず胸に抱いたことです。

【確認事項】このページは、鹿児島教区の若手僧侶が「日頃考えていることやご門徒の方々にお伝えしたいことを発表する場がほしい」との要望を受けて鹿児島教区懇談会が提供しているスペースです。したがって、掲載内容がそのまま鹿児島教区懇談会の総意ではないことを付記しておきます。