『心の眼を開けばあたりまえがおどろきになる』(前期)

人間が生きていく上で、欠かせないものの一つに水分があります。

体の大半は水分でできていて、性別や年齢で差はありますが、胎児は体重の90%、新生児で75%、子どもで70%、成人で60〜65%、高齢者で50%を水分が占めているそうです。

また、体重の数%、水分を失うと体に異常が起きてしまうといわれています。

体中の水分は、一箇所にとどまることなく、血液などの姿で体中を巡って、栄養や酸素を補給し続けています。

ある調査では、水と睡眠をしっかり取れば、食べ物がなくても2、3週間は生きていけますが、その一方、水を一滴も取らなければ4、5日で命を落としてしまうという結果が出ました。

これほど、人間にとって水は重要なものです。

私たちは、常に欠かすことのできない水分を、生活の中で、飲料水をはじめ、ご飯、みそ汁、肉、魚、野菜といった食事からも摂取して生きています。

生きる上で欠かすことはできない水ですが、にもかかわらず何も考えずに飲んで暮らしている私です。

水がなければ生きることはできないのですが、水によって生かされていると思いながら水を飲むことはありません。

しかし、改めて考えてみると、私にとっての水のはたらきは、とても大きいことに気付かされます。

体の大半を占め、巡り続けるはたらきの中で私が存在していると思うとき、尊いことだと感じるのです。

今月の言葉の

「心の眼が開く」

とは、具体的には物事の受け止め方、感受性が変わっていくということではないでしょうか。

水に限らず、あたりまえと思っていること、あたりまえと通りすぎてしまうことが、受け止め方、見つめ方によって、おどろきや感動に転じていくことであると味わうことであります。