「ロケット打ち上げの秘密」(中旬)ロケットの最も薄いところは厚さ2mm

ロケットはてっぺんに人工衛星を積んでいます。

しかし空気中をむき出しで打ち上げては空気摩擦と熱で壊れてしまうので、衛星を包み込むための保護カバー「衛星フェアリング」というものをつけます。

その下に2段目ロケット、さらにその下に1段目ロケットがついています。

そして、強力な推力を出す固体ロケットブースター。

これらによって得た全体重量を倍近く上回る推力で、ロケットは持ち上がって行く訳です。

全体の9割を占める燃料が入っているのがロケットの本体・構造物の部分です。

この構造物は直径4mなんですが、実は最も薄いところは厚さ2mmしかないんです。

そのぐらい薄くしなければ軽くできないということです。

それを特殊な工法を用いて、ロケット本体がつぶれて壊れないようにしています。

エンジン部分では、超低温の酸素と水素に火をつけて、推力となる燃焼ガスを出すんですが、ここでは何と1秒間で500lもの燃料が消費されています。

このようにして、ロケットは打ち上がっているんです。

種子島でロケットを打ち上げるときは、海上輸送で部品を島まで運び、陸揚げして、深夜のうちに発射場まで輸送します。

発射場に到着したロケットは1段目から順に発射台に乗せて組み立て、ロケットに問題がないことを確認したら、人工衛星を乗せます。

最後に試験をして打ち上げ当日を迎えます。

組立開始から1カ月半ほどかかり、当日は専用の移動台車で発射台ごと発射点まで移動させます。

移動で約1時間です。

その後、固定して配管をつないだりして燃料を入れ、その状態でロケット本体・人工衛星・発射設備の準備、安全の確保、打ち上げ時間、天候といったさまざまな条件を確認してから打ち上げ作業に入ります。

この作業に約10時間かかります。

そして10分前から最後の秒読みに入ります。

わずかなズレも許されない状況ですから、4分30秒前の段階になると全部コンピューターに任せ、信号のやりとりで作業が進むようになります。

そして最終的に問題がないとロケットのコンピューターが判断したとき、固体ロケットに点火され打ち上げられます。

ロケットは、衛星の用途によっていろんな角度で飛ばす必要があるんですが、イプシロンをはじめ、現在のロケットは自分で最適な角度を計算して、姿勢を制御しながら飛んでいきます。

そして、ロケットはいらなくなった物をどんどん切り離して飛んでいきます。

最初に、横の固体ロケットが燃え尽きるので、これを切り離します。

次に、空気がなくなる高度100km以上に到達すると、空気摩擦などから人工衛星を保護する衛星フェアリングが不要になりますので分離されます。

そして1段目ロケットが燃え尽きたら1段目を切り離し、2段目が燃え尽きたらそれも分離します。

それで地球を回るスピードになったら、今度は衛星を切り離します。

そういう順序でロケットはどんどんスピードを増して衛星を目的の所に届けます。

ロケットは、このようにして打ち上げられ、輸送機としての役割を果たしている訳です。