自分のモノサシ

「自分のモノサシ」という言葉をお聞かせいただいたことがあります。

私たちはそれぞれ自分の生きてきた状況や環境から、自分のモノサシで自分と他人(相手)とを比べているというのです。

いかがでしょうか。

確かにそのような気がいたします。

自分のモノサシで相手を見て、比べて、自分に都合がよければ、自分と波長があえばいい人、雰囲気のいい人と判断をする。

逆に自分の都合に合わない、感覚の違う人は、嫌な感じの人、ちょっと近寄りがたい人だなと判断をする。

ついつい自分のモノサシで物事を判断してしまっている私がいることに。

先日、家族で買い物に出かけた日は大雨でした。

帰り道、やっと雨が上がり、雨上がりの道を走っていると大きな虹が行く先に架かっているのが見えました。

外は暗く、雨で道路も見えにくく、どんよりした雰囲気でしたが、その虹を見つけて車内の雰囲気は一変して明るくなりました。

みなさん虹は何色だと思いますか?

私はいつのころからか7色だと思い込んでいました。

さて、虹の色が7色というのは万有引力の法則などで有名な科学者・ニュートンが決めたという説があるようで、その当時は「7」を大事にしていた時代でもあり、なにかと「7」と結びつけることが流行りだったようです。

当時の色彩の基本が赤、黄、緑、青、菫の5色がありましたが、ニュートンは虹をみて「橙」と「藍」の2色を加えて7色に決め、それが日本に渡り日本の学校教育で広まったというのです。

しかし世界に目を向けてみると、5色であり、6色であり、アフリカの一部の地域では2色という地域も存在するのです。

国や地域あるいは時代によってさまざまな虹色の数の数え方があるのがわかりますが、科学的に見てみると、虹の色は連続した色の変化によって、きっちり区別することができません。

よってどれが正しいとはいいようがないのです。

ついつい「自分は正しい」、「自分の考えは間違っていない」、自分は・・・自分は・・・と自分のモノサシでしか物事を判断してはいないでしょうか。

年を重ねれば重ねるほど、自分の考えを変えることは難しいですが、違うものの見方がある、それぞれに自分のモノサシをもっていると意識していると、違う人間性や意外な景色が見えてくるのかもしれません。

【確認事項】このページは、鹿児島教区の若手僧侶が「日頃考えていることやご門徒の方々にお伝えしたいことを発表する場がほしい」との要望を受けて鹿児島教区懇談会が提供しているスペースです。したがって、掲載内容がそのまま鹿児島教区懇談会の総意ではないことを付記しておきます。