工場見学

数年前から工場見学がプームとなり、今、書店に行くと全国の工場見学ガイドブックがいくつも並んでいます。

私も小学生の頃、社会科見学お遠足でパン工場、ヤクルト工場、魚市場の様子を見たことを思い出します。

その頃から、私は工場見学や、それにちなんだ体験活動に興味がありました。

いつかまた行ってみたい、見てみたいとと思いながら、よく各地の工場見学の情報を調べていましたが、なかなか実現には至らず、その途中には工場見学ではないのですが、企業の資料館のようなものと併設された体験コーナーで自分のカップに絵を描いて、たくさんあるトッピングの中から数種ル手選んで作ったオリジナルカップ麺や、ビールの試飲に行ったりしていました。

そして、先日やっと工場見学をしたいという思いを実現することができました。

行き先は、宮崎県えびの市にあるコカコーラ工場です。

高速道路を走っていると、大きな赤いコカコーラの建物が見えてくるのが目印です。

前日に思い立ち、電話をしたところ予約がとれました。

到着してしばらくすると、コカコーラの絵が描いてある大きな扉が「ポンッ」と、コーラの詮を開ける音ともに開き、その先がガラス張りの工場エリアでした。

通路をはさんで右側が缶製品、左側がペットボトル製造ラインだそうです。

しかし、その間は右を見ても左を見てもレーンは動いていません。

案内の方によると、その少し前の時間までは稼働していたそうですが、製造が終り次はお昼が稼働する合間の時間帯だったそうです。

そのような訳で、何かが動いているところを見ることができたのは、箱詰めにされた商品が奥の倉庫に箱ばれていく様子だけでした。

工場見学ということで「物が作られて行くのを見る」ことを期待していたのですが、結果的には「施設見学」という感じになってしまいました。

とはいえ、実際に行ってみないと分からないこと、行ったからこそ知ることが出来たことがありました。

私は、工場の広さ、綺麗さ、特にほとんど人の手が入らず機械によってオートメーション化されることによって製品が作り出されていく技術力に驚きました。

さらに、えびの市のコカコーラ工場の1日の生産量が、1商品を1日に1本ずつ飲んでも何百年もかかるほどの量が作られていること。

世界中、同じ基準で水処理をして、それぞれのクセ・臭いを取り除いておいしい水に作りかえて製造していること、工場から出るゴミの9割はコーヒーやお茶のカスで、それは100%リサイクルされ動物の餌や肥料になって利用されていることを知りました。

また、ペットポトル、缶、ビン等の容器も再利用され、次の資源となっているそうで、その一例として自動販売機の商品補充やお店で見かけるコカコーラの社員の方が着用している服もペットポトル再生資源なのだそうです。

コカコーラの試飲も出来て、約1時間の工場見学でした。

工場見学が始まる前に7分ほど見た映像の中で、心に残った言葉がありました。

それは

「食事というのは、食事をするということです。最近は、多様な生活スタイルの中で食事を済ませたり摂ったりすることが多くなってきました。しかし、本来食事は済ませたり摂ったりするものではなく、家族が集い、語らい、雰囲気を楽しみながらするものです」

こんなニュアンスのことが伝えられていたように思います。

みんなが楽しく向き合うこと。

気持ちに寄り添って向き合うこと。

そして、食事をいただくということは、また雰囲気をいただいている大切な時であることを改めて聞かせてもらいました。

今回、工場見学に行くことができて良かったです。

いろいろなことを見たり聞いたりする中で、多くのことを知ることができました。

コカコーラの製品の缶は底、ペットポトルはキャップの印字部分にWEBと表示されているのは「えびのコカコーラ工場で出来ましたよ」という意味だそうです。

帰り道、自動販売機で買った飲み物の表示をまず確認している私がいました。

今度は、お菓子工場の見学に行く計画を立てていますが、とても楽しみです。

工場側から、一日に数回、見学時間が設定されていますが、今回私みたいに「工場のラインが止まったままの時間の中での見学」ということもあるようなので、工場見学に行く前は、電話でその日の様子を尋ねてみるのも良いかと思います。

【確認事項】このページは、鹿児島教区の若手僧侶が「日頃考えていることやご門徒の方々にお伝えしたいことを発表する場がほしい」との要望を受けて鹿児島教区懇談会が提供しているスペースです。したがって、掲載内容がそのまま鹿児島教区懇談会の総意ではないことを付記しておきます。