浄土真宗にはどのような法要があるのですか?

まずここで押さえていただきたい点として、浄土真宗の法要は、すべて仏法にであっていく大切なご縁であるということを、強く意識していただきたいと思います。

法要、と聞きますと亡くなられた方を成仏させるという『追善供養(ついぜんくよう)』が目的であると考える方が非常に多くいらっしゃいます。

しかし、浄土真宗では、私たちが教えに出会うご縁こそが法要ですから、怠らず勤めることが大切ですし、追善供養が目的ではありません。

もし、亡き方を偲ぶ縁での法要でしたら、亡き方は法事を通して、「み教えに導いて下さる諸仏」なのです。

亡き方やご先祖をしのび、いま生かされている命の尊さを味わい、たくさんの命に支えられ、連綿と受け継がれてきた命のまことに気づかせていただくことが大切なのです。

法要というと、前述したとおり、「仏の教えをいただく様々な行事」であるわけですが、一般的には「故人や先祖らが亡くなった日、亡くなった縁に関わる仏事」という意味合いが強いようです。

葬儀が勤まったのちに、法要を営んでいくことが多いわけですが、最初に訪れるのが初七日であり、中陰法要(二七日から七日ごとに七七日まで)、百ヵ日法要、一周忌を最初として年回法要(年忌)が三回忌、七、十三、十七、二十五、三十三、五十、百、以後五十年ごとに続いていきます。

さらには、毎年一度訪れる故人の命日のことを「祥月命日」といい、一ヶ月ごとの命日に勤める法要も「月参り(月忌法要)」として勤まります。

これ以外にも、春と秋のお彼岸の時期に勤まる法要(彼岸法要)、お盆の時期(7月13~16日または8月13~16日)に行われる歓喜会(かんぎえ)、ご先祖や亡くなられた方をご縁に永大にわたり読経(み教え)にであっていただく永代経(えいたいきょう)法要、浄土真宗のみ教えを私たちに残して下さった親鸞聖人を偲んで行われる、報恩講(ほおんこう)法要などがあります。

これ以外にもお寺や地域の昔から勤められてきた、独自の仏縁にであう法要もありますので、あまりなじみのない名前の法要などがありましたら、ぜひご自分の所属するお寺の方へおたずねになってみて下さい。

私たちが迷うことのないよう、命がけで本当にたくさんの仏縁を頂いております。

そのご縁を大切にしながら、法要を通してみ教えにであい、豊かないのちを育むきっかけにしていただけたらと願うところであります。

南無阿弥陀仏。