なんくるないさ

今年は終戦70年の年にあたります。

あらゆる媒体で戦争に関連した報道がされ、書籍等も多数見受けられます。

私の祖父は戦争に行き、祖父は足に受けた銃弾の影響もあり、杖をつき、晩年は車イスで生活をしていたことを覚えております。

私自身、戦争を経験したことはありません。

個人的な旅行や研修会等で沖縄や広島、長崎へ行かせていただいたことがありますが、戦跡を訪ねるだけでも、戦争の悲惨さを思い知らされます。

先の戦争において、最大規模で最後の戦闘の場所であり、住民を巻き込んだ地上戦が行われたのが沖縄です。

今では沖縄といえば、青い空、青い海、おいしい沖縄料理などなど、日本有数の観光地としても有名です。

沖縄の言葉(方言)で「なんくるないさぁー」という言葉を聞かれたことはあるでしょうか?

交通網の充実により全国どこへ行くのも便利な時代になりました。

また、テレビ等でも全国各地を取り上げた企画が増えてきたこともあり、方言自体が身近となり、よく聞くものはその意味を理解したつもりで使うこともあります。

私は、高校から地元を離れ寮生活を送りましが、全国各地から集まってきていたこともあり、お互いに仲良くなるためというか、冷やかしたりするときに相手がよく使う方言を使って話をしてみたりもしました。

さきほどの「なんくるないさ」ですが、私たちは、楽観的な意味合いでもって「何とかなるさ。

大丈夫だよ。」とそれだけで片付けてしまいがちです。

しかし正確な意味では、「挫けずに正しい道を歩むべく努力すれば、いつか良い日が来る」という意味があるのだそうです。

それを知り、「何とかなるさ」とものすごく気軽に、しかも安易に言葉にしていたことを恥ずかしく思いました。

私たちが日々口にする言葉。

特に日本は流行、はやり・すたれが盛んで、言葉もどんどん変化をしています。

いい意味で変化・理解がされていく言葉もあれば、あまり好ましくない変化・理解をしていく言葉もあります。

終戦70年、その時の言葉・経験を伝えてくださる方も少なくなってきました。

今に伝えられていることば、なんとなく使っている言葉、私たちはどれだけその真意を聞いていくことができるでしょうか。

【確認事項】このページは、鹿児島教区の若手僧侶が「日頃考えていることやご門徒の方々にお伝えしたいことを発表する場がほしい」との要望を受けて鹿児島教区懇談会が提供しているスペースです。したがって、掲載内容がそのまま鹿児島教区懇談会の総意ではないことを付記しておきます。