『苦楽を繰り返し年は暮れゆく』(前期)

“年を重ねると、月日が経つのが早く感じる”と、よく言われますが、年々それを実感しております。

自分でも不思議ですが、あっという間に今年もあとわずかとなりました。

2015年は、あなたにとって、どんな年だったでしょうか?

それぞれの方に色々なことがあったことでしょう。

嬉しかったこと、悲しかったこと、楽しかったこと、辛かったこと・・・。

色々な出来事も、月日が経てば思い出となり経験となっていきます。

いい思い出、苦い思い出・・・その繰り返しが人生なのでしょう。

「ともかくもあなたまかせの年の暮れ」

小林一茶の句です。

自分の子どもに先立たれた年に詠まれた一句といわれています。

この句の“あなた”とは、他人ではなく、阿弥陀如来を示しています。

決して、他人任せの人生とか、どうでもいいというような意味合いの句ではないでしょう。

一茶の人生において苦しみ、悲しみ多いけれど、本当におまかせできる救いを受け止めているからこその句ではないでしょうか。

私は、人生色々なことがあるけれども、心の依りどころをしっかりともって人生を歩む姿勢を、この句から感じます。

今年も色々あったけれども、おかげさまで今日という1日を生かされています。

“何があっても心配はいらない、我にまかせよ、必ず救う”と私にはたらきつづけてくださっている阿弥陀如来の願いの中で、また今年も暮れていきます。