お寺から聞こえてくる鐘の音は、どのように聞こえていますか?

先日、あるご住職から

「最近お寺の近所に引っ越して来られた方から、『お朝事の鐘がうるさくて朝ゆっくり眠れないので、鐘を鳴らさないでほしい』という苦情を受けました」

というお話を聞きました。

かつてはとても考えられなかったことですが、近年はこのようなお寺の鐘に関わるトラブルが全国的に多いようです。

お朝事だけでなく、昨年末「除夜の鐘がうるさい」という苦情を受けて、日中に撞くようになった寺院のことがニュースで報じられていました。

ちなみに、私がお預りさせていただいておりますお寺では、毎朝のお朝事開始の鐘、報恩講などの法要の鐘は、現在90歳になられる方が、もう20年以上も撞いてくださっています。

だいぶご高齢になられたので、私が比較的軽く小さい撞木(しゅもく/鐘を撞く木槌みたいなもの)を用意したところ、その方が

「私が毎朝撞く鐘を、お参りしたくても出来ない方々が自宅で聞いているかもしれないので、少しでもハッキリと大きな音で叩きたいから、まだ使えるうちは重くても大きな撞木を使います」

と言われたことがありました。

今朝もその重く大きな撞木で、お寺の朝参りの鐘を撞いてくださいました。

同じ鐘の音でも、聞く人によって様々な聞こえ方があるようです。

あなたにとってお寺から聞こえてくる鐘の音は、どのように聞こえていますか?

【確認事項】このページは、鹿児島教区の若手僧侶が「日頃考えていることやご門徒の方々にお伝えしたいことを発表する場がほしい」との要望を受けて鹿児島教区懇談会が提供しているスペースです。したがって、掲載内容がそのまま鹿児島教区懇談会の総意ではないことを付記しておきます。