近頃、テレビ番組で美魔女というのがある。

年齢に比して凄く若く見える美しい女性の方が出てきます。

それなりに努力して若さを保っています。

しかし、いつかはそれも保てなくなってきます。

別に年より若く見えなくても、美しい人はいます。

年相応の姿かたちで美しい人です。

また、姿かたちが美しくても、しぐさや、言葉遣いが美しくないと、人としての魅力に欠けてしまいます。

やはり人として総合的に魅力的な人が理想的です。

二十年ぐらい前ですが、合掌造りの里というところを見学したことがありました。

そこのアトラクションの一つとして、一室で、刺子をしている小さいおばあさんがいました。

背を丸めて一刺し、一刺し刺子縫いをしていました。

その姿はとてもかわいらしくて、魅力的でした。

花はあるがままに咲いて美しい。

まったくその通りです。

では人はあるがままにいて美しいでしょうか。

とてもその通りとは言えません。

ニュースではとても人間が出来ることではないと思われるような事件が続きます。

人間は人を殺さなければ、環境を破壊しなければ生きて行けないのでしょうか。

今は平和と言いますが、戦う用意をし、平和を守るために武器を取る、戦うというのも、おかしな話です。

「分陀利華」と言う言葉があります。

百蓮華のことです。

美しい白い蓮の花です。

お釈迦さまは阿弥陀仏の教えを説かれますが、それを聞いて信じた人を自分の教えを良く分かった人として讃える言葉です。

阿弥陀仏の浄土の教えを聞いて念仏する人を美しい白い蓮の花だと褒め讃えてくださるのです。

久しぶりに孫と一緒にお参りに来たおばあさんが、もともとにぎやかな人でしたが、大声で念仏を称えてお参りした後、この頃は赤い色の着る物しか着たくなくなったと大声で話し笑っていました。

その様子は、その笑顔は、私も笑顔になり、元気をもらえるような思いがしました。

本堂で布教師の話を一心に聞いているおばあさんの横顔を見ることがあります。

自然と手を合わせ念仏している姿は美しいです。

凡夫人と言われる煩悩だらけの私たちですが、お釈迦さまは美しい人と褒めてくださいます。

ありがたいことです。