『「過去帳」などは、誰にいつまでに書いてもらえばよいのでしょうか』

お仏壇におかざりされているかと思いますので、ご覧になったことがある方も多いと思いますが『過去帳』というのは、その家々の故人のお名前(俗名)、院号や法名、亡くなられた方の年や月や日、年齢などを記した、各家庭に伝わる系譜(帳面)のことです。

浄土真宗では位牌を祀らず、過去帳をお仏壇に供えることが本式とされています。形は、横長の紙を一定間隔で畳んだものや縦に綴じられた和本があります。一般的に帳面というと紙に記載することを想像しますが、過去帳の場合は、布や木(唐木の黒壇や紫壇など)で書かれている場合もあります。 紙が簡単に手に入らなかった時代からの名残があることを感じることができるのではないでしょうか。

過去帳はいつの時代から用いられているかというと、史実で確認することができるのは、鎌倉時代以降に確認できるのだそうです。用いられるようになった当初は寺院専用として用いられていたそうですが、江戸時代の檀家制度によって各檀家それぞれの過去帳が作成されるようになり、現在もその流れが残っているわけです。家の祖先の歴史、ご自身のルーツを知りたいという方はまずご家庭にある過去帳を頼りにしてみる知ることができるかもしれません。

なお、過去帳に故人を書き記す場合、ほとんどの場合所属の寺院に依頼します。書き記す時期(タイミング)としては葬儀後、だいたい四十九日(満中陰)までに、お世話になった寺院に頼み、新たに過去帳に書き入れてもらうことが多いので、寺院に相談されることをおすすめいたします(※記載間違い防止のため)。

浄土真宗では、人は現世にとどまることなくすぐに浄土でみ仏となると考えられているため、位牌ではなく過去帳を用いますので、もし過去帳が家になく、今後記入をする場合は、過去帳を仏具屋さんなどでお求めになり(大きさなどがいろいろあります)、ご住職にご相談ください。