朝晩にどのようなお経をお勤めしたらよいでしょうか。

もうだいぶ前のことですが、親鸞聖人御誕生八百年、立教(りっきょう)開宗七百五十年を記念して、ご門徒さんが朝晩のおつとめに使用するために「浄土真宗 聖典 ー勤行集(ごんぎょうしゅう)ー」が浄土真宗本願寺派より出版されました。

ここには、

「正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)」「ご和讃(わさん)」「讃仏偈(さんぶつげ)」「重誓偈(じゅうせいげ)」「十二礼(らい)」「仏説阿弥陀経(ぶっせつあみだきょう)」「帰三宝偈(きさんぽうげ)」

などがまとめられています。

朝晩のお勤めでは、この「浄土真宗 聖典 ー勤行集ー」を用いられたらいかがでしょうか?

例えば、仕事などで時間がない日は重誓偈。
休みの日など時間のある日は正信念仏偈や仏説阿弥陀経。

といったようにそれぞれの生活に合わせて、この「浄土真宗 聖典 ー勤行集ー」の中からお好きなものを読まれてください。

京都の御本山では、朝のお勤めでは通常、本堂にて「讃仏偈」、御影堂(ごえいどう)にて「正信念仏偈」「ご和讃(繰り読み)」。

夕方は本堂にて「重誓偈」、御影堂にて「正信念仏偈」のお勤めをしています。

これにならわれてもよろしいでしょう。

短いお経より、長いお経を読むほうが、功徳がいっぱいあるからいいのでは?と思われるかもしれませんが、阿弥陀さまのみ教えは、阿弥陀さまが南無阿弥陀仏の六字に往生成仏(浄土へ生まれ仏に成る)の功徳(くどく)をすべて具(そな)えすべての私に与えてくださっており、その南無阿弥陀仏をいただくときに私の往生成仏は決定するというみ教えであります。

ですので、そもそもお経を読むという所作(しょさ)自体が私の往生成仏とは関係がないのです。

ではなぜお経を読むのかといえば、報恩行です。

私のすべてを包み込み寄り添い往生成仏させるとお誓いくださる阿弥陀さまへの感謝の行の一つが読経(どっきょう)です。

感謝の行ですから、こうしなければならないという“きまり”はありません。

「浄土真宗 聖典 ー勤行集ー」の中からそれぞれの生活のなかでできる限りの報恩行をさせていただきましょう。