浄土真宗のお浄土には、一人ひとりのいのちが比べようもなく輝いています。それは、違いがあるからこそ互いに輝き合えるということです。お浄土の蓮の花は青・黄・赤・白、それぞれ色も光も違うけれど、それぞれがその色の光を放ちながら共に尊く咲いている―この姿こそがお浄土の世界の象徴です。私たちのいのちも同じで、誰かと比べて良い悪いを争う場ではなく、一人ひとりが唯一無二の輝きを放つ尊いものです。
日常生活では「みんな同じようにできないとダメ」「あの人と比べて自分は劣っている」と自分と他者とを比べて自分のいのちの尊さになかなか思いが向くことはないかもしれません。お浄土の教えは、違いを認めて「あなたはあなたのままでいい」と言ってくれます。阿弥陀さまの光は、月の光のように、私たちの弱さも含めてずっと照らし続けています。そのような阿弥陀如来のはたらきに出会えるのは、「聞法(もんぽう)」仏法を聞き開いていく営みなのです。
例えば、「青色青光」「黄色黄光」など蓮の花の様々な色と光は、それぞれ違う個性を示しています。これはお浄土でのいのちの姿のたとえで、違いを認め合うことが極楽浄土の豊かな世界なのです。私たちも違いがあるからこそ、それぞれの輝きが生まれ、互いに響き合うことができます。
社会の中で「他人と比べてしまう」「うまくできない」と悩むことも多いでしょう。でも、お浄土の教えは「どんなあなたもそのままで輝いている」と伝えています。たとえちがいがあっても、お互いの光を見つめ合いながら共に輝きあえる関係を築くこと、それが仏さまのお浄土の世界です。だからこそ、あなたのいのちの輝きを否定することなく、今ここにあるあなたの存在を認めてみてください。阿弥陀さまの絶えざる光に照らされ、どんなちがいも尊く尊い個性として輝いているのです。
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