年回法要は、1周忌、3回忌、7回忌、13回忌、17回忌、25回忌、33回忌、50回忌、この後、50年毎に行う形がとられています。
その他、地域によっては23回忌や27回忌をつとめる場合もあります。
しかしながら、現状は「50回忌を勤めたらおしまい」と思っておられる人が多いように感じられます。
この50回忌でおしまいという考えは民族宗教の影響があるようです。
民族宗教では、亡くなると年忌ごとに追善供養して、死者の霊を鎮めて、きよめます。
これを怠ると霊が迷ったり、時には祟りとして我々に災いをもたらします。
そうならないためにもご法事を勤めなければならないわけです。
そして50回忌まで勤めると、死者の霊は完全に浄化され、祖霊(カミ)になるのです。
そして祖霊になるともう災いをもたらすことはなくなり、ご法事も勤めなくてよくなるという図式です。
しかしながら、これでは、祟りがおこらないためにご法事をするようなものです。
ご法事は亡き人が、いのちをかけて結んでくださった大事なご縁です。
故人を偲びながらそのことをご縁として、私自身が仏まの教えにふれ、我がいのちのありようを静かにみつめていく大切な場です。
つまり、故人を通して改めて無常のことわりをしみじみと味あわせていただき、いまこうしていただいているいのちの尊さに気づかせていただくのです。
亡き人のためと思っていたご法事が、実は、私自身がみ教えに出遇わせていただく尊いご縁であったと受け止めさせていただくのです。
ですから、50回忌でおしまいではなく、できうるかぎりご法事のご縁をもっていただければと思います。
なお、冒頭にも記していますが、50回忌以降は通常50年毎にお勤めされますが、1周忌や3回忌など区切りの年忌以外も4回忌、5回忌、6回忌など、祥月命日にはお寺にお参りをして頂きたいものです。