お寺の納骨堂へ納骨される時に、色々な質問を受けます。
その中の一つに、「姓の違うお骨を一緒に納めたら何か問題がありますか?」という質問です。
結論から申し上げますと、全く問題はないということです。
「姓の違う故人のお骨は入れてはいけない」以外でも「仲の悪かった者同士のお骨を一緒にするとケンカになる」等々いろんな人にいろんなことを言われて何が正しいのか困ってしまう方も多くおられます。
人に言われれば、気になることかもしれませんが、故人を大切に思う心があれば、気にすることなく姓の違うお骨も堂々と納骨されてよいのです。
これらの偏見は、お骨を故人そのものとして見るところから生じています。
お骨となった故人は生前の自己中心的な欲望や感情、それにしきたりなどに縛られたままの故人なのです。
実はそういう目でしか故人を見ることができない今、生きている私達自身の問題なのです。
故人は浄土へと生まれて仏となって再びこの娑婆世界に還ってきって我々を正しい方向へと導くためにはたらいてくださっています。
たとえ、生前に対立していた間柄であってもお浄土では、世俗のわだかまりから解放されて共にお念仏の教えを説いて下さっているのです。
納骨をご縁としながら私たち自身が仏さまの真実の教えに出遇っていくことを故人も願って下さっておられることと思います。