通夜とは、まさに文字通り、夜通しかけて亡き人を偲びつつ、悲しみや別れの場を通して限りある命の事実を自らが問い、仏法に触れさせていただくひと時が、お通夜の持つ意味合いです。
お通夜の始まりは、お釈迦様がお亡くなりになったとき、多くのお弟子さんたちがご遺体を見守りながら、「お釈迦様こんなこと仰っていたよね」「私はこのように教えていただきました」など、それぞれがお釈迦様が生涯をかけて説法くださったたくさんの教えをお互いに語り、聞き合った故事に由来します。
別れによって出遇う、悲しみを通して気付く。
お通夜はまさに故人最後の命のお説教の場であります。
ですので、亡き人を中心にみんなで思い出を語り、夜伽(よとぎ)とも言われるように、その人の人生の物語を話し、讃え、聞かせていただく姿勢が、お通夜での大切な過ごし方ではないでしょうか。