亡くなられた方がいまどうしておられるのですか?

亡くなられた方がいまどうしておられるのか。とても大切な問いではないかと思います。浄土真宗においては、この世との縁が尽きると阿弥陀仏のはたらきによってまず浄土に生まれていきます。そして、仏様と成って再び私たちの住むこの娑婆世界に還ってきます。そして、今を生きる私たちを浄土に生まれさせるための「はたらき」として、はたらいて下さいます。つまるところ、亡くなられた方は今私たちにはたらいているということです。この「はたらき」とはどういことでしょうか。日本では、ほとんどの人がある程度の年齢になれば仕事を持ち働くようになります。この働きはほとんどの人が経験する事なので分かると思います。しかし、亡くなられた方(仏様に成られた方の)のはたらきは私たちの目には映らないので分かりにくいかしれません。しかし、目には見えずとも確かにはたらいているという事です。

相田みつをさんの詩を紹介させていただきます。

「花を支える枝 枝を支える幹 幹を支える根 根は見えねんだなあ」

ふと外の風景を眺めれば美しい花々が私たちの目に飛び込んできます。しかし、その花々を咲かせる為のはたらきをした根っこは地面の中にあり簡単に見ることができません。しかし、そこに根のはたらきがある事は確かです。同じ様にお墓参りや、お寺参りをする風景を眺めてみて下さい。そこには先に往かれた方を思い偲び手を合わせている方がいらっしゃるのではないかと思います。それはご遺族の方、または関係者の方が自分達の思い、願いとして行っていることだと思いますが、その根っこの部分を訪ねていけば、それはやはり先に往かれた方々からのものではないかと思います。そのことを仏様と成られた方々のはたらきとして受け止める事も出来るのではないかと思います。私たちの計らいを超えた不思議の世界、その世界を真として生活を歩むことはとても大切なことではないかと思います。

また、今年もお盆の季節がやってまいりました。先に往かれた方々を思い偲ぶ大切な時間にしていただければ有難いことです。