『起立してお勤めするのはよいのでしょうか?』

お寺の本堂や読経所でお勤めや法要をする場合には、導師もお参りされている方も基本的には座っていらっしゃることかと思います。お勤めも座りながらされているかと思いますが、お勤めにおいてはシチュエーションによるといった具合で、座ってしなくてはならない、たってしなくてはならないといった決まりそのものは特にありません。

私自身も、たとえばお墓での納骨法要や屋外での上棟式などでお勤めをする場合には立った状態でお勤めをしますし、本堂での報恩講の際は行道といって、内陣を歩きながらお勤めをするといった作法もあります。ですので、必ずしもお勤めは座ってしなくてはならず、起立してはいけないといったことはありません。

念仏・お経を称えること、お勤めすることは、故人の霊を慰めたり、成仏させるための呪文ではなく、今までの人生のご苦労を偲び、現在は阿弥陀仏と共に仏様となって、私たちを救いとる、はたらきして下さっていることに感謝する為です。お経には、阿弥陀如来様の真実の救いが説かれてありますので亡くなった方の霊を鎮めるような呪文が説かれているのではありません。生きている者の為に、あるといっても過言ではありません。

お経を称え、お勤めをし、亡き方を偲ぶと共に、形にこだわりすぎることなく、必ず浄土へ救いとると、はたらいて下さっている、阿弥陀如来様の真実の救いに耳を傾けてまいりましょう。