「院号」
は、仏法を弘める上で宗門の護持発展に大きな功績を残された人を讃える意味で本願寺から贈られるもので法名の上につけられます。
特にご門徒の場合は、財政的な形で、仏法を弘めるための教団の維持にご尽力いただいたという意味合いから、ご本山に一定額以上を納められた方に贈られるようになったものです。
さらに付け加えるならば故人の念仏繁昌(念仏の声が世界に子や孫へと伝わるように)への思い、そして宗門の発展を願って納められたご懇志の気持ちに対して贈られるものが
「院号」
であります。
しかしながら、
「文字数が多いほどありがたい」、
「文字数が多いほどあの世での位が上がるのではなかろうか」、
あるいは
「個人の社会的地位に見合うように」
等々、様々な思いで院号を求めている現実があります。
そして
「これだけの金額で院号を買った」
というような使われ方もされています。
先にも申し上げておりますように念仏繁昌そして宗門の発展を願う気持ちを大切にしながらご懇志をお納めいただき、そのことをご縁としてご遺族の方がお念仏のみ教えを慶ぶ身とさせて頂くことが肝要であります。
この心を失ってしまうと
「院号はお金で買うもの」
というような感覚に陥ってしまうのです。
「院号」
は、お金で買うものではないということ、そして“院号”をつけると“位”が上がるということではないということをご理解いただきたいと思うことです。