“抱いて抱かれて笑顔に笑顔さぞ嬉しかろ親も子も”
という詩があります。
拙寺では、この1年に誕生した赤ちゃんをお祝いする初参式を実施しています。
赤ちゃんを抱いた親の姿は、本当に美しいものです。
昔から
「子は授かりもの」
と言われます。
なかには子を作るという言い方をされる方も見受けられますが、なんとなく物作りみたいで情緒のない、乾いた響きに聞こえます。
ところで、一つのいのちが生まれてくるのには二人の親が必要です。
その親にも又親が必要です。
このように単純計算で10代遡ると、1,024人になるようです。
遡るほどに倍々で増え、決して縮まることのない、まさに無量としか言いようのない一つ一つのいのちの糸が切れずに繋がってあればこそのいのちであることに気付かせていただく時、人智を超えた大きな働きに驚嘆するばかりです。
親子としてめぐり合った、奇しきご因縁を大事に暖めていきましょう。
ただし、たとえ我が子でも所有物ではありません。
一人前に育つように仏様より授かったのだと受け止められれば、これこそありがたいといえるでしょう。
仏さまは我が子、人の子の区別なく、全ての人を一人子として育んでくださいます。
子育ては苦労が伴いますが、また楽しいものでもあります。
親も子も共に仏の子であるという自覚のもと、本当の意味での
「ありがとう」
の人生を歩んでいきたいものです。