『心の眼を開けばあたりまえがおどろきになる』(後期)

「虫の夜の星空に浮く地球かな」

この俳句は元大阪大学の教授で浄土真宗の僧侶でもある大峯あきら師の俳句です。

星空を見上げて、虫の音を聞いてる自分も地球も、見ている星と同じく宇宙に浮かんでいるのです。

地球を飛び出して宇宙空間から地球を見ている壮大な俳句です。

私たちは地球と宇宙は別の世界と考えています。

ですからロケットを発射して、宇宙空間にロケットが飛び出したと、表現します。

しかし、この地球も宇宙空間に浮かんでいる存在です。

だからロケットが発射されたところも宇宙で、ロケットが今いるところも宇宙です。

地球が宇宙空間にあれば、私が立っている所も宇宙空間のど真ん中です。

「宇宙人はいます。なぜならこの私が宇宙人だからです。」

と言う事も言えると思います。

私は果てもなく広がる宇宙空間の中に浮かんでいる存在です。

そのことを科学の智慧が私たちに教えてくれます。

有難いことです。

阿弥陀仏の浄土の世界もまた広大な世界です。

この宇宙空間すべてです。

阿弥陀仏のおられる世界を、無量光明土と、お釈迦様は説かれました。

限りなく広がっているのです。

あらゆる存在が、阿弥陀仏の光明の中にあるのです。

すべての衆生が阿弥陀仏の光明の中にあります。

この私ももうすでに阿弥陀仏の光明のうちにあるのです。

日々の暮らしは目先の事や、怒りや愚痴や欲望の、煩悩だらけの生活ですが、その私がすでに仏の光明の中にあるのです。

仏の光明のど真ん中にいるのです。

信心の智慧がそのことを私に教えてくれています。

有難いことです。

世界虚空がみな仏わしもそのなかなむあみだぶつ(才市)