『ずいぶん回り道をしてきたそれもまたいい』(前期)

「人生を振り返ってみる。」

そういうことは、あまりしない私ですが、今月の法話を書くにあたり、振り返ってみることにしました。

小さい頃のことは、あまり記憶にないので省略しまして、学生時代もっと勉強しておけばよかったという思いはあります。

また、いろいろなことに積極的であればとも思うことでした。

皆さんの中にも、自分の人生を振り返ると、“あのときああしておけば”、“こんなはずではなかった”と思う方もいらっしゃるかと思います。

仏教では、過去や未来ではなく、今が大切だと考えます。

仏教を説かれたお釈迦さまは

「もう終わったことをいつまでも考えたり、まだ起きていないことに悩んだりしないように。過去は終わったことで、未来はまだ来ていないこと。だから、今すべきことをよく見つめて、それに集中しなさい」

とおっしゃっています。

“あのときああしておけば”、“こんなはずではなかった”と思っても過ぎたことですから、変えることはできません。

変えることはできないけど、過去の反省をもとに変わることはできるのではないでしょうか。

それは、今をどう生きるかを大切にすることだと思います。

人それぞれの人生の中で、回り道と思うような出来事も、そこがあっての今の私の生きる瞬間です。

過去の積み重ねで至っている

「今、ここ」

をしっかり見つめていきたいものです。