『自分をはげます言葉を持とう』(後期)

数年前になりますが、ネパールのカトマンズ本願寺のソナム・ワンディ・ブティア氏のお話を聞くご縁に恵まれました。

インドで生まれたソナム氏は幼少より仏教教育のなかで育ち、チベット仏教を学ばれました。

16歳まで様々な修行をされた後、3年3カ月3週間3日の瞑想行という厳しい修行を修められた方です。

多くの修行に取り組まれるも、修行で悟りを得ることの困難さを、身をもって感じられたそうです。

その後、向坊弘道さんとの出会いを経て、浄土真宗の教えに出遇われます。

「阿弥陀如来の救いにお任せする」という、これまで学ばれた仏教の教えとは切り口の異なる浄土真宗の教えに、はじめは懐疑的でありましたが、やがて浄土真宗に帰依され本願寺派の僧侶となられた方です。

ソナム氏のお話の中で、特に印象に残った言葉があります。

「私にとって南無阿弥陀仏=パワーです」

というものです。

「この先の人生を過ごす中で、何があっても心配はない。阿弥陀さまが、いつも一緒であると南無阿弥陀仏の言葉を通して感じる事ができます。」

と、力強くお話しになったことが、私自身、衝撃を受けるとともに、有り難いご縁であったことです。

考えてみると、「言葉」とは不思議なものです。

自身、他人に関わらず、言葉によって安心を得たり、励ましたり、時に傷つけてしまったりと、言葉によってさまざまな影響を受けます。

一時期、スポーツ選手の言葉が綴られた日めくりカレンダーがテレビなどで話題になりました。

悩みを抱えた時、落ち込んだ時、何かに取り組む時などに励みになると人気だったようです。

そのカレンダーの中に

「後ろを見るな!前も見るな!今を見ろ!」

とあります。

私事ではありますが、今度マラソンに初挑戦する自身への励ましの言葉として、大切に受け止めています。

あなたは、自分にとっての大切な言葉、お持ちですか?