阿弥陀さまが味方だよ。

小学校2年生の女の子から有難いご法話を頂きました。

私が京都にある仏教の学校から鹿児島県薩摩川内市のお寺に帰ってきて始めたのが、小学生を対象にした1泊2日のサマーキャンプです。

お寺の周辺は過疎化が進み生徒が少ないですので、仏教青年会に手伝ってもらい市内のお店にポスターを張り、地元のラジオでお知らせをするなどします。

今年は市内各地から25人の子どもたちと10人の青年スタッフが集まってくれました。

本堂で正座してお経をよみ仏さまの話を聞くだけでなく、みんなでカレーを作ったり、肝試しをしたり、ドラム缶風呂に入ったりしてとことん遊ぶ、そんなサマーキャンプです。

2日目の朝ご飯の時でした。

「席は、自由に座っていいよ。」と私がいうと、仲の良い友達同士でまとまって座ります。

私が座ったテーブルには、小学校2年生と4年生からなる仲良し5人組が先に座っていました。

2日目になりますと人見知りしていた子も友達のように仲良くしてくれます。

もちろん、いたずらだって大好きです。

お寺の婦人会の方が朝食を準備してくださいました。

その味噌汁に私の嫌いなナスが入っていたのです。

みんなで食前の言葉を言い、さあ食べようとした時にナスが入っている事に気付き、ポロッと言ってしまいました。

「僕、ナス嫌いなんだよね」と。

いたずらっ子たちが、この言葉を聞き逃すはずはありません。

「ナスがきらいなの? 好き嫌いはだめだよ。私のナスもあげるね。」と。

「自分のナスは、自分で食べなさい。」と言いましたが、もう遅し。

みんな私にナスを持ってきてくれます。

前がナスで一杯になりました。

一杯になったナスを見て、少しいじけた口調でいいました「誰も僕の味方をしてくれないんだね」と。

その時です。

小学2年生の女の子がニッコリ笑い、仏さまの方を見て「阿弥陀さまが味方だよ」といいました。

私がその言葉に驚いて「え?」と聞き返すと、少し真剣な顔になって「阿弥陀さまが味方なんでしょ?」と、もう一度言ってくれました。

これは嬉しい一言でした。

嬉しくなったので、前にあったナスを私は頑張って全部食べました。

「阿弥陀さまが味方だよ。」

初めてお寺に来てくれた、小学生の女の子からいただいた有難いご法話でした。

私たちの人生・命は思い通りになりません。

自分の身体ですら思い通りにはならず、裏切られてしまうことさえあります。

その私たちを救うため五劫思惟の願をたて、兆歳永劫の御修行を積まれた阿弥陀さまが、「あなたを救う仏はもうここにいるよ。一人ではないよ。」と、まさに今よんでくさっています。

合掌

【確認事項】このページは、鹿児島教区の若手僧侶が「日頃考えていることやご門徒の方々にお伝えしたいことを発表する場がほしい」との要望を受けて鹿児島教区懇談会が提供しているスペースです。したがって、掲載内容がそのまま鹿児島教区懇談会の総意ではないことを付記しておきます。