平成29年12月法話 『振り向けば 出会いあり 別れあり』(前期)

今月の「振り向けば出会いあり別れあり」の言葉は私にとって、とても心に残るものでありました。

生を授かり今日まで、どれだけの出会いと別れがあったことでしょう。

正確な数は分かりませんが、多くの出会いと別れがあったことは間違いありません。

普段の日常では、深く考えることがあまりないのですが、数えきれない多くの出会いと別れを通して今があるということを振り返ることであります。

今年のはじめのことですが、あるご門徒の方のお葬式をお勤めさせていただきました。

突然の別れでありました。

その方は、私を幼少の頃より可愛がってくださり、お亡くなりになる前まで、私を気にかけ、お寺のことを考えてくださった方でありました。

お亡くなりになられ、ご遺体を前にお経を勤めておると、悲しみ・寂しさで涙の中でお勤めしたことです。

出会いがあれば別れがある…。

頭では知っていても、受け入れがたいことであると共に、別れを通して浄土真宗のみ教えを改めて考えさせられたことでした。

別れて終わりではない、また必ず阿弥陀如来さまのお浄土で遇うことができるということであります。

“さようならでなく、またねと別れていくのが浄土真宗”

その方との出会いによって様々なことを教わり、育てられました。

別れを通して気づかされ、深められたことでありました。

限られた人生を生きている私たち、一つ一つの出会い、別れを深く受けとめさせていただきたいと思うことであります。