阿弥陀さまがお立ちの姿であるのは、じっと座ってはいられないという阿弥陀さまの心を表現しています。
阿弥陀さまは、苦しみ悩み、いつどう転がってもおかしくない私たちを、急いで立ち上がってあなたの所へ駆け出さずにはおられないと、そのお心を立っている姿で表しているのです。
また阿弥陀さまは前傾姿勢でお立ちであります。
よく譬えられるお話しで、赤ちゃんがよちよち歩きをする頃、親はハラハラドキドキしながらすぐにでも駆けつけられるよう、手を前に差し出しながら前かがみで赤ちゃんの後を追っていきます。
決して我が子から目を離すことはありません。
阿弥陀さまの前では私たちは言わば幼き赤ちゃんと同じであります。
危なっかしい人生の歩みをしている私をいつも見守り、常に先手先手で私を包み、優しく導いてくださる。
それが阿弥陀如来という仏さまであります。
阿弥陀さまのお姿は、礼拝の対象であると共に、お姿そのものが、教えそのものであるという視点で見れば、また今までと違う味わいが響いてくるのではないでしょうか。