「お盆」とは、どのような意味ですか?

「お盆」とは、正しくは「盂蘭盆会」(うらぼんえ)といいます。

「ウランバナ」というインドなどで古代用いられた「サンスクリット語」の言葉が中国にわたり、音写された漢字(当て字)が「盂蘭盆」といわれています。

この「ウランバナ」を直訳すると、「倒懸(とうけん)の苦しみ」=「逆さ吊りの苦しみ」という意味があり、最も苦しい状態を意味する言葉ですが、浄土真宗ではこの苦しみが仏法を聴聞することにより最大の喜びに転じられ、苦しみが歓喜に転じられていくご縁であるということから、「歓喜会」(かんぎえ)ともいいます。

この「盂蘭盆会」はお釈迦様の弟子であった目連尊者が、亡くなった母を餓鬼道という苦しみの世界から救おうとして、その母に食物を与えるのですが救われず、お釈迦さまの導きで多くの僧侶に供養して初めて救われたという、「盂蘭盆経」というお経の故事から起こった行事です。

すなわち、亡き母や特定の先祖に供物を捧げるというのではなく、自らが深く仏法に帰依して聴聞していくなかで、限りなき仏さまのはたらきを仰いでいくことの大切さを、このお話は伝えています。

ですから、他の誰かではなく私自身が仏法を聴き、浄土へ生まれる真実の教えに目覚めいくことが、このお盆だけでなくすべてのご法事において、浄土真宗の門徒としての大切なこころ構えであると思います。

ちなみに浄土真宗では迎え火を焚くなどの霊を迎えるためのさまざまな準備も必要ありません。

お飾りも一般の法要と同じように、菓子、果物といった供物をお供えし、花瓶や香炉を置く台(前卓・まえじょく)には、打敷(うちしき)という布を三角形状に敷けばよろしいでしょう。

なぜならご先祖はお盆の時期にだけに帰ってこられるわけではないからです。

いつでもこの娑婆世界に戻られ私たちを見守り、わたくしたちが如来さまのご本願を信じ、力強い人生を歩めるように、はたらいてくださっています。

ですからお盆をお迎えするのは、亡き人や特定の先祖の霊を供養するためではなく、亡き人を偲び、わが身・わがいのちを振り返る大切な時といただくべきでしょう。

仏法聴聞をとおして、仏さまの恩を感じ取ってほしいとの先祖方の願いをいただくのです。

そうしたご先祖の願いを聞き、阿弥陀如来さまにこころから手を合わせることが、ご先祖を敬い、感謝することになるのです。