先月、姶良市の加音ホールで姶良市周辺の寺院のご門徒の皆様を対象に、雅楽演奏会が開催されました。
毎年、講演会という形式で開催しているようですが、今回初めて雅楽演奏会を企画されることになったようです。
その演奏会に楽人の一人として参加させて頂きました。
演奏会開催の1、2週間程前に、私の住んでいる地域の小・中学校、保育園においてインフルエンンザが流行っていました。
私には小学3年・小学1年のこども2人と保育園に通うこどもがいますので、インフルエンザにかからなければいいがなあと思っておりました。
しかしながら、流行には抗えずついに小学3年のこどもがインフルエンザにかかったのです。
私は1週間後に演奏会を控えて雅楽の役割分担も決められていましたので、「私がインフルエンザにかかったら皆さんに迷惑をかけてしまう。」との思いから家族全員でマスクをし、こまめにアルコール消毒を継続的に行った結果、奇跡的に?家族の誰にもうつることはありませんでした。
そうして、なんとか当日無事に雅楽の演奏会に参加させていただきました。
当日早めに入りリハーサルを行いましたが、大きなホールで演奏する機会が滅多にないので、会場の雰囲気にのまれて演奏がちぐはぐになることもありましたが、修正して本番に臨みました。
当日会場にはおよそ4、5百人くらいの方々が来場されていたようです。
初めて雅楽の演奏にふれる方でも、どこかで一度は聞いたことのあるような古典の越天楽という曲を最初に演奏しました。
そして、雅楽会の代表者が鳳(ほう)笙(しょう)・篳篥(ひちりき)・龍(りゅう)笛(てき)の管楽器のそれぞれの特徴の説明のあとで、実際に管楽器の音色を聞いていただきました。
太鼓(たいこ)・鉦鼓(しょうこ)・鞨鼓(かっこ)の打楽器についても同様にその役割を説明した後、実際に打楽器の音を聞いていただきました。
それぞれの管楽器・打楽器がどのような音を出すのか、どんな役割があるのかを来場の方々にご理解いただいたことかと思います。
中でも篳篥は三つの管楽器の中でも一番小さな楽器ですが、見た目とは違い一番大きな音の出る楽器です。
その力強い音を聞いて、来場の方々もそのギャップにびっくりしているように感じられたことです。
その後、来場者の方々が一緒に歌えるように「遠き山に陽は落ちて」を演奏したり、古典の「越天楽」の現代版アレンジの「越天楽幻想曲」を演奏したりしました。
あとからスタッフの方にお聞きしたら「この曲が、一番人気があった」ということでした。
後半には舞楽を行いました。
きらびやかな衣装を着た舞人が雅楽の演奏に合わせて舞うのです。
舞楽自体、つい最近取り組んでいるもので、まだまだ完成はされていませんが、新しく練習し始めたものを発表できる場を頂いて有り難く思ったことでした。
そして最後に『恩徳讃』を雅楽で演奏し、みんなで唱和して閉式となりました。
今回、通常の法要では演奏しない難しい曲であったり、最近取り組み始めた舞楽であったりと、それぞれが自主練習を行いながら、数少ない全体練習において調整をして臨んだことでした。
今後も小学校等いろいろな場でご縁ができ、雅楽の魅力を多くの人々に広めていけたら嬉しいなあと思ったことです。