また、天気を感じるということで言えば、これからの季節で注意する現象として雷があります。
しかし最近は意外と慣れてきたのか、雷に対する備えがルーズになってきています。
でも、雷は落雷がありますからやはり危険です。
最近人体に落ちたという話はあんまりないとはいえ、海水浴中に落雷して海で亡くなったという例もありますし、夏山の山歩きで尾根を歩いていて、たくさんの方が一度に落雷にあってしまった例もあります。
雷というのは、十キロ先で鳴っていても、こっちに落ちてくるということが十分ありえます。
よく木の下に隠れれば安全だと言われますが、これも実は上手に隠れなければ危険なんです。
雷というのは高い所に落ちてきます。
もし外に出ていて雷が鳴るような状況になったら、とにかく背を低くすることですね。
体に金属のものを付けていたら外せとか言われますが、とにかく大事なのは背を低くすることです。
高い木があればそこに避難すればいいのですが、あんまり近づきすぎますと、木の幹を伝わって電流が降りてきて、その電流が体に誘導されて落ちてきます。
幹から二メートルくらいは離れておかなければなりません。
木の下で雨も防げますが、上の枝からも離れておかなければいけません。
一番いいのは、木のてっぺんを見上げて四十五度よりもちょっと高くなるような場所に避難することらしいです。
とにかく濡れることよりも、木を避雷針としてその中に入っていって、しかしあんまり近づきすぎないということが大事なんです。
もし山にいて、どうしても落雷を避ける場所がなかったとしても、落雷は一分に一回くらいの割合で落ちてくるそうですから、逃げる時間はあります。
今、私たちがちょっと忘れている自然に対して、もう少し目を向けていただきたいという意味で雷のお話をしました。
私たちの体自身が動物ですので、昔からのいろんな記憶が残っているはずです。
そういうものをもう少し蘇えらせて、生活に潤いを持たせてほしいと思います。
最後に、最近異常気象と言う言葉をよく耳にいたします。
私自身はあまり使いたくない言葉です。
といいますのは、本で最近のことだけを調べるのではなく、かなり昔からの変化というものを見てみますと、もともと地球には大きな変動の現象があります。
気温ひとつをとりましても、氷河期といわれるような時もあれば、温暖化しているときもあります。
私自身、最近の異常気象と呼ばれるものの中には、人間がもたらしたものが結構あるのではないかと思います。
例えばエルニーニョ現象と言うのがあります。
これは自然の現象で、太平洋の赤道付近の海温がいつもと違うパターンになり、そのことによって空気の運動が変わり、結果的には気圧配置ががらりと変わってしまうということです。
このような現象が起きると、通常と大きく違うということで異常気象と言う言い方をしていますが、地球の現象から見ますと、取り立てて異常ではありません。
本当の異常気象と言うのは、地球全体がちょっとずつおかしくなっているということです。
例えば大気汚染。
私たち一人ひとりは大気汚染を起しているとは思っていません。
でも人間の生活が豊かになり、工場などの産業が活発になって、そのことで大気汚染が進んだのは事実です。
その他にも地球の温暖化、オゾン層破壊とか、森林破壊、砂漠化などがあります。
それは人間がどんどん活動範囲を広げてきて、便利な生活をしている一面がかなり大きく影響しているんですね。
私たちが生活するというのも、地球に生かされていることを忘れてしまって、「何でもかんでも人間のためにあるんだ」とか、「人間は何でもできるんだ」といった考え方をしてきた結果、実際目に見える形で地球に影響してきているんです。