『私の安心はいつも一安心』

日頃、乳幼児と接する環境に身を置くご縁をいただいています。

夕方のお迎えの時間、玄関にお父さん、お母さんの姿が見えると、一目散に親の元へ駆け寄って行く子、まだまだ遊び足らずすぐには帰ろうとしない子など、様々な子どもたちの姿が見られます。

けれども、みな一様に言えるのは、その表情は安心感に満ちあふれているということです。

子どもにとって、親という存在ほど大きく安心できる場所はありません。

したがって、子ども達の心には、安心できる場所を持つことで、大きなゆとりと自信が生まれます。

そして、そのような存在に包まれて、伸び伸びと生きて行く中で、かけがえのない「いのち」は輝きを放つのだと思います。

確かに、成長と共にいつしかそういった思いが薄れていくのも事実ですが、自分の拠り所となるものあるいは生きる指針を持つことは、人として成長していく過程で、努めて意識するよう心掛けたいものです。

最近のテレビを見ていると、芸能人や有名人の人生を様々な形で診断する番組が人気を博しているようです。

また朝の時間帯には、今日の運勢や占いとったコーナーが必ずありますが、それはとりもなおさず毎朝これからの一日がどのような一日であるかということについて、人々が高い関心を寄せていることの表れだと思います。

そして、それは今、私たちが生きていく上で、常に「安心」ということが求められている時代だということを顕著に表している現象なのかもしれません。

ところで、その日によってころころ変わる不確かな運勢を人生の基盤とするのか。

あるいは、占いや迷信に左右されることなく、自分の信念をしっかり持って自らの人生を歩むのか。

嬉しいことや楽しいこと、悲しいことやつらいこと、あらゆる事が予期しない形で起きるのが私の人生です。

しかも誰も代わってくれることのないのが私の人生の現実です。

そのような意味で、いろんな「ご縁」の中で、物事を見極める目と、的確に判断できる確かな心を培うことが、この人生を力強く生きる上で大切な要因となっているのだと言えます。