人間の歴史は、私達が「こうなればいいな」と夢見たことを多くの人々があらゆる限りの力を振り絞って実現して来た、言うなれば「人々の夢をかなえること」の連続であったといえます。
もちろん、今でも人々は夢や希望の実現に向けて努力し続けています。
けれども、その一方で私たちは何か大切なものを失ってしまうことがあります。
例えば、開発を進めることで、より快適な生活を享受しているのですが、それは豊かな自然環境や多くの動植物の生態系の破壊と引き換えに成り立っていたりすることがあるのです。
時折、テレビで日本各地の伝統的に技術・産業、あるいは地域の様子が紹介されます。
それらの中には、どれほど時代が移り変わっても「昔ながらの方法」で作られているものが少なくありません。
むしろ、これまで受け継がれてきた手間とひまをかけることが何よりも大切にされているようです。
あたらしい技術の進歩や発達には驚いてもやがて慣れます。
けれども、多くの人々によって受け継がれて来た昔ながらの手間ひまをかけて出来上がったものに出会うと感動します。
いま私達は後の世の人々に何を伝え残せるか。
手間ひまをかけて大切に考えたいものです。