最近は本当に多種多様なお墓を見かけるようになりました。
故人を偲ぶ思いを形にと種々様々な物をモチーフにしたお墓。
不謹慎かもしれませんが、見ていて飽きません。
さて、浄土真宗のみ教えに添ったお墓というのはどのようなものなのでしょうか。
まず浄土真宗にとってお墓というのはどういうものなのかを通して考えてみたいと思います。
浄土真宗でのお墓という所は、世間一般で考えられているような「死者を祀り霊を慰める処」ではありません。
ご先祖や身近かな人のお骨を納めて、亡き人の遺徳を偲ぶ。
私にいのちを届け育んで下さったご恩に感謝する。
そんな場所がお墓なのです。
ですから、ご先祖や先立たれた方の為に拝むのでは無く、「私」がその方々をご縁として、いのちの事実に出会う。
そして、如来さまに手を合わさせて頂く、そんな場所なのです。
あくまでも私たちの礼拝の対象は阿弥陀如来に他ならないのです。
そのような訳で、お墓の正面には「南無阿弥陀仏」とお名号を刻むようにします。
形だけではなくお墓参りする私たちの心持ちも含めて…、それが浄土真宗らしいお墓のあり方だと言えましょう。