まず、お釈迦さまについて。
今からおよそ2500年ほど昔、インドの北の方、今のネパール国にお生まれになり苦しい修業を経て悟りを得かれました。
その教えは仏教と呼ばれ、その開祖がお釈迦であることは、多くの人の知るところです。
毎年4月8日は
「はなまつり」
と呼ばれ、誕生仏に甘茶をかける様子をテレビのニュースでご覧になられたことがおありかと思いますが、これはお釈迦さまが誕生された時に、それを祝うかのように空から甘露が降り注いだとする伝承に基づいたものです。
次に、阿弥陀さまとは。
簡潔に申しますと、お釈迦様が説かれた『無量寿経』というお経の中に説かれている仏さまが阿弥陀さまです。
私たちのお仏壇の中心に安置してあるご本尊です。
阿弥陀さまはかつて法蔵菩薩と名のられ、自分が仏となるための四十八の誓い(四十八願)をおたてになり、誰も想像することのできないくらいの永い時を費やされ、その全ての願いを成し遂げ阿弥陀如来となられました。
その中でも特に第十八番目に誓われた
「生きとし生けるものが阿弥陀仏の浄土に生まれたいと願南無阿弥陀仏と念仏するものを必ずその浄土へ迎えとり仏と成らしめたい」
という願いは、根本の願い「王本願」と呼ばれています。
お釈迦さまは、自分の説かれた教えが、やがて時代の変遷と共に廃れていくことを憂えて、いつの時代もいかなる人々も仏となることの出来る教えはこの阿弥陀仏の説かれた念仏往生の教えしかないとして、この
『無量寿経』
と共に、阿弥陀さまとその浄土について説かれた
『観無量寿経』と
『阿弥陀経』
の三つの経典に阿弥陀仏の教えを、仏さまの側、人間の側、仏さま人間の双方からといったようにそれぞれ立場を変えながら説かれました。
お釈迦さまが阿弥陀さまの救いを説かれたことを踏まえて、
お釈迦さまを「教主」、
阿弥陀さまを「救主」
とよぶこともあります。
なお、この三つの経典は
「浄土三部経」
と呼ばれ、私たち浄土真宗の拠り所の経典として大切に扱われています。