「入院」

 老病死という、誰も避けることの出来ない存在の課題を正面から引き受け、その苦悩を超克するために出家して寺院に入ることを「入院」といいます。

 身体の病を治すために病院に、心の病(迷い)を治すために寺院に、それぞれ「入院」するのだとすると、お寺の本堂に仏法を聞きに行くのは「通院」ということになるのかもしれませんね。

 私たちは、常に自分のなかに

「正しい自分」

がいると錯覚して生きていますが、自分の姿を見つめることはなかなか難しいものです。

そのため、上手自分の思い通りにいかないことがあると、すぐに責任を他に転嫁してしまいがちです。

 仏法はそのような私の迷い事実に気付かせ、あるべき自分の姿を教えてくれます。

一般に「定期検診」が大切であることはよく知られていますが、心の健康を保つためにも、お寺に「通院」することを「定期化」して頂ければ嬉しく思います。