平成11年に始まった京都本願寺御影堂の大修復。
瓦の全面的な葺き替えに始まり、屋根工事、彩色工事、建具工事、表具工事など約200年ぶりの大がかりな修復となりました。
その修復工事もおよそ10年の歳月をかけて、平成21年4月1日に御親影様を総御堂から御影堂にお移り頂く御動座法要をお迎えすることができました。
10年前京都にいた私は、御影堂から総御堂に御親影様をお移り頂くときにお手伝いさせて頂いた経緯があるので、今回の御動座法要は特別な思いで出勤させて頂きました。
御親影様に輿(こし)という乗り物にお乗り頂き、奏楽を先導に御影堂に約40分ぐらいかけてお移り頂きました。
10年ぶりに見る御影堂は、こんなに大きかったのかと思うぐらい迫力がありました。
金柱をはじめ、巻き障子や欄間の金箔もきらきらと輝き、彩色や壁画も創建時のままに色鮮やかに蘇っていました。
御親影様をご安置するお厨子や御影堂の前卓(通称六鳥)も新品同様に綺麗に修復され、まさに御親影様をお迎えするのに相応しい御堂へと変容していました。
三具足(蝋燭立て、香炉、花瓶)もこれほどまでに大きかったのかと思うぐらいに存在感がありました。
特に花瓶と仏華の巨大さには、10年前は毎日見ていたはずなのに、いまさらながら驚きました。
内陣正面のお厨子に御親影様をご安置し、右脇壇には前門主第23代勝如上人のご影像を安置。
左脇壇には2代如信上人から22代鏡如上人が連座で双幅(2つの掛け軸)にご安置されています。
右余間には鏡如上人が御染筆された帰命尽十方無碍光如来の十字名号、左余間には同じく鏡如上人御染筆の南無不可思議光如来の九字名号がご安置されています。
5月22日から26日まで、『本願寺御影堂平成大修復完成慶讃法要』が厳修されます。
お都合のつかれる方は、何百年に一度のご縁に是非お会い頂きたいものです。