『浄土くじけてもつまづいても帰れる世界』

親鸞聖人750回大遠忌法要が京都の本願寺で4月より厳修されています。

ご門主様は4月からの法要厳修に先立ち、東日本大震災によって被災された方々に対し、心よりのお見舞いを申し上げるとともに、いのちを失われた方々とご遺族に哀悼の意を表されました。

そして

宗門では、すべての被災された方々の悲しみに寄り添い思いを分かち合いたいとの願いをもって大遠忌法要をお勤めいたします

と述べておられます。

私たちもまた、被災された方々の苦しみや悲しみに寄り添いながら、自分たちに何ができるのかを考え続け、それぞれの立場で活動していければと思います。

先日、私はご門徒の皆様とともに親鸞聖人750回大遠忌法要にお参りしてきました。

雅楽演奏の厳かな雰囲気の中に、ご門主さま・新門さまをはじめ、多くの僧侶が出勤して賑々しくご法要が勤まり、御影堂を埋め尽くした3,000名以上の僧侶・門徒が、ともに

「正信念仏偈」

のお勤めを始めますと、御影堂全体を震わすばかりの声が隅々に響きわたりました。

親鸞聖人が90年のご生涯をかけてお念仏のみ教えをお伝え下さった御苦労を偲びつつ、そのみ教えを慶び、心の拠り所として生き抜き、伝えてこられた先達の方々の親鸞聖人への思いに心を馳せる時、両頬に流れる熱いものを感じました。

このご勝縁に出遇わせて頂きましたことを心から慶ばせて頂くことです。

親鸞聖人が90年の生涯を通してお念仏のみ教えに導かれながら苦しみや悲しみを克服し、力強く生き抜いてこられたように、私たちもまたくじけても、つまずいても、必ずかならず帰らせていただくお浄土を頂くことによって、安心して生き、安心していのち終わっていくことのできる力強い人生を歩ませて頂きたいものです。