ここ数年、1年があっと言う間に過ぎ去っているように感じています。
小学生・中学生・高校生の頃は1年がとても長〜く感じられていました。
しかし、最近は特に時の流れの早さを痛感しています。
このまま10年20年30年と年を重ねた時には、まさに1年が
「あっ」
と言う間に過ぎ去っていくように感じられるのでしょうか。
だからこそ、今この瞬間を1日1日を大切にしなければならないと思います。
昨年は、伯父・伯母の法事が勤まり、東京・大阪・宮崎などから多くの親戚が集まりました。
普段、お互いに忙しく生活している中では、親戚一同が集まるという機会はめったにありません。
この度の法事は、伯父・伯母が私たちに対して、いのちの尊さ・有難さ、そして阿弥陀さまに見護られながら生活をさせてもらっていることに、改めて思いをいたしてほしいといのちがけで設けて下さったご縁だと思うのです。
ご法事のあと、伯父伯母を偲びながらお斎をいただき、思い出話に花が咲きました。
その中である人が、
「おじさんもおばさんもみんなお浄土にかえっていかれたなあ・・・。」
としみじみと語っておられました。
しかしその中で、
「今度はひょっとしたら自分の番かもしれないなあ…」
と言った人は、1人もいませんでした。
この方の言葉を聞きながら、私自身も同じように、自分の内側ではなく外側にしか目が向いていない自身の姿に気づかされました。
周りで人が次々に亡くなっていっても
「自分だけはいつまでも生きている」
と、心のどこかで思いこんでいる私自身の姿にハッとしたことです。
阿弥陀さまの智慧の光に照らされることによって初めて、私たちはお粗末な自分の迷いの姿が明らかになります。
そして、そのお粗末な私であることに気がつくことを通して、阿弥陀さまのお慈悲のど真ん中に包まれて生かされていたことに頷くことができます。
そのとき、私たちは苦しみ悩みの多いこの人生を安心して生き、安心していのち終わってゆくことのできる、確かな新しい一歩を踏み出せるようになるのではないでしょうか。