「在宅で過ごす人生最後の日々」(中旬)ガンは病院だけで治療する時代じゃない

僕は在宅医療を専門にしています。

在宅医療の主人公は患者さんご本人ですが、そのご家族もまた大切です。

「ガンですよ」と、病気の説明をしたときに最もショックを受けるのは、本人よりもご家族であることの方が多いんです。

本人にしてみれば、しょうがないと思えても、家族は受け止められないことが多いので、家族に対してもケアをする訳ですね。

最終的に自宅で最期を過ごされる人は11パーセントです。

みなさんはいかがですか。

私はぜひ自宅で過ごして頂きたいと思います。

今はもう病院だけでガンの人が過ごす時代ではないですね。

医療的ケアは困難ですが、グループホームで過ごされる方が多いです。

病院はどちらかというと、点滴したり血圧を測ったりいろいろしますが、それが本当に必要なんだろうかということもあります。

笑い話じゃないんですけども、ある男性が入院して、朝、看護師さんが「どこかきついことはないですか」と、その男性に聞いたら、「あんたが測っている血圧がきつい」と言うことがあったそうです。

僕は血圧測定とかは、なるべくしない方がいいと思っています。

世間話をすればいいと思うんですが、病院には決まりがありますから、なかなか思うようにできません。

また、在宅医療を支援する地域の社会資源というのがあります。

今は訪問看護ステーションがずいぶん発達していますね。

それも、1つの病院の訪問看護ステーションじゃなく、その地域に訪問看護ステーションがあるんでする。

都城でも志布志でも、僕らが指示書というのを書いて渡せば対応してくれます。

そういうふうに連携しているのでとてもいいですね。

老健、デイケア、ショートステイ、いろんなサービスがありますので、これを有意義に使ったらいいと思いますし、最近増えてきたのが療養病棟です。

見た感じは病院なんですけど、病院と施設の中間ぐらいのところにあって、ここは長期入院ができるんです。

ただし、医療的なケアがちょっと少なくなるのがデメリットでしょうか。

特別養護老人ホーム、グループホーム、有料老人ホーム、在宅といろいろ種類があります。

僕自身は、広くこういった施設で過ごすことも在宅と考えていまして、グループホームはアットホームで和やかなところでもあり、自分たちでご飯を作ったりする共同生活ですね。

1人で過ごすのもいいんですけど、そこそこになったら、誰かと一緒がいいのかもしれませんね。

紺誤記、医学的なケアも大事ですけど、より広く福祉的なケアが大事になってくると思うんです。

やっぱり安らかに人生の最期を迎えることが出来るので一番いいのかなあと思いますね。