これは先日、運営するこども園に併設している児童クラブであったできごとです。
「先生、あれこわれています」
トウマくん(仮名)が園庭にいた私を呼びます。
「どうしたの?」と私が近づくと、落ちている棒を指さして、「あそこから落ちてきたと思う」と言うのです。
上を見ると、木でできているアスレチックを構成している櫓の木枠が一つ、はずれていました。
毎月、遊具の安全点検はしています。しかし、その時は大丈夫であったものが、大風などでダメージを受け、経年劣化が進んでいた木枠の疲労が限界を迎え、はずれてしまったのかもしれません。
もう20年以上も建っている櫓です。
得意満面で「もし人がいたら死んでいましたよ!」と私を糾弾するトウマくん。
見ると「ぼくは正義の味方!」という表情をしていました。
「そうだね、園長先生が気づかなかったのはいけなかったね。ごめんね」と謝る私。
「気をつけてください」と言って走り去るトウマくん。
今年で小学2年生です。
その姿を見て私はなぜか思わず吹き出してしまいました。「もうこんな年からそうなんだなぁ」と。
子どもたちのケンカは、純粋にいたずらや嫌がらせからはじまることもあるのですが、正義感から起こるケンカもけっこうあります。
「先生!レンくん(仮名)がおやつ残しています!いけないとおもいます。食べ物を残してはいけないって習いました!」とレンくんを激しく糾弾するレミちゃん(仮名)。
「先生!おやつ残したのは落としたからです」と言って泣き出すレンくん。
こういうケンカは、児童クラブでしょっちゅうです。
双方の言い分を聞き、交通整理をするのが、児童クラブ支援員の仕事だったりします。
今の社会も正義の味方がいっぱいいますね。
自粛警察、SNS等でおこなわれる有名人に対する糾弾。
世の中、正しさで満ちあふれ、正しさに怒り、正しさに疲れています。
私たちの社会にも支援員が必要とされているようです。