「なぜお仏壇が必要なのでしょうか」

私たちは身だしなみを整えたりする場合など必ず鏡を必要とします。自分を自分で直接見ることはできませんが、鏡に写る自分を見ることで姿全体を確認することができます。

「お仏壇は心を写す鏡」と聞かせていただいたことがあります。外見や身だしなみを鏡に写して自分を整えていくのと同じように、お仏壇というのも、私たちの内面的な部分や心というものを、直接目に見えるものではないけれども、仏様の教えに照らされた自分の姿が明らかとなります。

仏教を身近に聞くということは、常にわが身を振り返る姿勢に他なりません。家庭の中に、生活の中に、身近にお仏壇があり、静かに手を合わせる時間は、自分自身の生き方を正しく整えていくことであり、仏教を、お仏壇を鏡と譬えるのもまさに生きていくうえで欠かすことのできない大切な教えであると私は受け止めています。