3月は卒業式のシーズンです。

3月は卒業式のシーズンです。

長男が今月中学校を卒業し、4月からは高校生になります。初めて授かった子どもでしたので、子育ても手探りで今まできましたが、その子ももう高校生になるのかと感慨深いものがあります。

長男は中学1年の時に、それまでしてきた陸上部をやめて野球部に入りました。一昔前はたくさんいた部員も最近では、単独でのチーム編成は難しく、近隣の中学との合同チームで頑張ってきました。

1年の時は6名いた上級生も全員卒業し、3年になった時には部員が1人になりました。1人では練習もままならずにいたところ、野球経験者の中学2年生の生徒さんがキャッチボール等の練習を手伝ってくれました。

1人ではなかなか練習も十分に出来ないところを、その生徒さんや顧問の先生、そしてOBの方々も時々練習を見に来たり手伝ったりしてくださいました。たった1人のために、たくさんの方々が支えてくださったおかげで、何とか最後まで野球を続けることができました。

練習が終わって自宅に帰ってきたあとも、黙々と毎日手にまめができるまで素振りを繰り返し、うまくなろうと努力するその姿を見て、わが子ながら頭の下がる思いがしたことです。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、最後の地区大会・県大会も中止となり、それまで目標としてきた大会に出場できなくなったことはやむを得ないことではありますが、一生懸命に努力してきた子どものことを思うと胸が締め付けられる思いがしました。

先生方が、「なんとか最後の引退の試合をさせてやりたい」という思いで色々と調整していただき、近隣の中学校の4チームで引退試合を組んでいただきました。結果は1勝1敗でしたが、最後のけじめの大会が行われたことは、本人にとっても気持ちの区切りができたのではないかと思います。

昨年7月に野球部を引退してすぐに、それまで友だちと頻繁にしていたゲームをスパッと止めて受験勉強を始めました。その切り替えの早さには、とても驚かされました。野球を通して、継続して粘り強く努力することの大切さを学んだからではないかと思います。

4月からは、高校生活が始まります。多くの方々に支えられて生かされていることのありがたさに感謝する心を忘れずに、新しい環境の中で充実した高校生活を送ってくれることを願うことです。

【確認事項】このページは、鹿児島教区の若手僧侶が「日頃考えていることやご門徒の方々にお伝えしたいことを発表する場がほしい」との要望を受けて鹿児島教区懇談会が提供しているスペースです。したがって、掲載内容がそのまま鹿児島教区懇談会の総意ではないことを付記しておきます。