「子ども食堂の一歩先の支援 ②」

前回空き家再生に着手し、「子ども百貨店」の常設を目指すというコラムを書きましたが、続編です。あれから半年、コツコツと作業を重ね、ついに7月オープンの運びとなりました。

実はこの空き家再生は、建設業者に丸投げして改修するのではなく、棟梁ならぬ「コミュニティ大工の加藤さん」の指導の下、有志によるDIYで仕上げてきました。

お寺の駐車場に隣接する空き家を利用出来るかもというお話があり下見に行くと、雨漏りの跡がありました。慌てて加藤さんに連絡すると「こんなに降ったら雨漏りするよ~。でも大丈夫!」と言われ、雨漏りは空き家再生を諦める理由にはなりませんでした。

ここ数年ずっと「どうにか活用出来ないものか」と悩んでいたので、「よし! やろう!!」と心を決めて動き出した後は、本当に夢が叶う思いで楽しみと喜びでしかありませんでした。

家財道具を処分し、天井を剥がし、今風の吹き抜けにして屋根裏を貼り、壁は漆喰を塗り、床は畳からフローリングに替え、ついに外壁の仕上げをして完成しました。

要所で作業をイベント化し、多くの仲間に来てもらい、一緒に作業して親睦を図り、携わってくれた方はゆうに延べ50人を超えました。

多くの皆様のおかげにより建物は無事完成しましたので、今は運営をどうするかというソフト面の充実に取りかかっています。

拙寺も明治の頃、山口県の萩から無住となっていた寺の木材を船で運び、門徒総出で引っ張り上げたと聞いています。幾たびか改修を重ね今に至りますが、この空き家も同じように手を加え誰かが使っていくことで息を吹き返しました。

「コミュニティハウスKADAN」という看板もかけられ、多くの方の利用を心待ちにしています。お下がりものを無償で提供する「子ども百貨店」の他に、持ち込み差し入れ大歓迎の「もちよりカフェ」、補正やリメイクが出来る「クリエイティブコーナー」など、思い思いに楽しめる居場所つくりをしました。

今は多少の雨漏りには動じず、やっぱり「やって良かった」と満足しています。SDGsにも繋がるこの取り組みで、また少しでも地域が変わることを期待しつつ、皆さんの利用を心待ちにしているところです。

【確認事項】このページは、鹿児島教区の若手僧侶が「日頃考えていることやご門徒の方々にお伝えしたいことを発表する場がほしい」との要望を受けて鹿児島教区懇談会が提供しているスペースです。したがって、掲載内容がそのまま鹿児島教区懇談会の総意ではないことを付記しておきます。