お寺で使用するロウソクの色は、白、朱、金、銀の4種あります。
これらのロウソクは法要の種別によって使い分けています。
その使い分けは以下の通りです。
- 白(はく)ロウ〜日常的な一般の法要
- 朱(しゅ)ロウ〜報恩講法要や年忌法要(7回忌以降)、慶讃法要(住職継職や本堂落成などのお慶び事)、永代経法要など
- 金(きん)ロウ〜仏前結婚式、慶讃法要など
- 銀(ぎん)ロウ〜葬儀、追悼法要、年忌法要(3回忌まで)
金ロウ、銀ロウは白ロウの上に金箔・銀箔を押したもので、高価な物でもあり、それぞれ白ロウ、朱ロウを代用することもあります。
また、ロウソクに火を着けていない時は、ロウソク立てに木(もく)ロウ(朱塗りの木製ロウソク)を立てておくのが通例です。
ちなみにローソクに火を灯す意味ですが、ついた火は如来さまのお心、お徳として味わうことが大切になってきます。
ローソクの火には二つの面があります。
一つは光です。
周囲を明るく照らすその光は、如来さまの智慧を象徴すると言われています。
私の心の奥底まで知り尽くし、どろどろとした迷いの闇を隈(くま)なく照らして、真実に導いて下さる智慧の光明です。
もう一面は熱で、これは如来さまの慈悲をあらわします。
熱が氷をとかすように、如来さまのお慈悲のぬくもりが私の自分中心的な固く閉ざした心を解きほぐしてくださいます。
このように味わいますと、ロウソクの火がこれまで以上に輝いたものに感じられますし、その火が灯るロウソク自体も意味深く感じられるのではないでしょうか。
家庭のお仏壇では金ロウ、銀ロウを使うことは滅多にないことだと思いますが、平常の時は白ロウを使い、特別なご法事やお慶びの時などは朱ロウを使用されると、その法事・法要に、より厳粛さを感じられると思います。