先日、祖父の十三回忌法要をいたしました。

先日、祖父の十三回忌法要をいたしました。

祖父が亡くなり、今年で丸12年が経ちます。

法事では、遠方に住んでおり鹿児島に数年に一度ぐらいしか帰ってくることの出来ない親戚や、その子どもたち全員が集まることが出来ました。

親戚一同が集まり、祖父の思い出話を沢山することができました。

祖父は生前、私のことをとても可愛がってくれていました。

旅行に出かければその土地その土地の名産品や郷土品を選んでは買ってきてくれました。

祖父の家へ遊びに行くと、私が幼い頃は、膝の上に座らせてもらいながら、いろんな話を聞いてもらい、一緒に遊んでもらいました。

大きくなってからもいつも笑顔で迎え入れてくれました。

優しくて、穏やかで、私は祖父の怒った顔は一度も見たことがありませんでした。

そんな祖父が私は大好きでした。

今はもう姿はなく、もちろん会って話すことも出来ない祖父ですが、私は南無阿弥陀仏のお念仏を申すときに、祖父に会わせてもらっている様な暖かい気持ちになります。

祖父はよく、南無阿弥陀仏についての話をしてくれました。

阿弥陀さまの極楽浄土の世界の話。

いつでもどこでも、どんな時でも阿弥陀さまは私たちのことを願ってくださっているという話。

とてもわかりやすく、祖父の話はスッとわたしの心の中に入っていきました。

そんな祖父と、また会わせていただける世界というのが、極楽浄土であります。

今はもう会うことが出来ない寂しさというのは拭うことはなかなか難しいですが、また会わせていただける世界があるんだということを、喜ばせていただきながら、今あるいただいた尊い命を一生懸命生きていこうと改めて思う、祖父の法事となりました。

「人は二度死ぬ」という言葉を聞いたことがあります。

一度目は、この世で生がつきたとき。

二度目は、全く忘れられてしまったとき。

私は、お念仏の喜びを教えてくれた祖父を、決して忘れません。

そして、祖父がもっとも喜んでいたお念仏、浄土真宗のみ教えを、これからもたくさんのお同行とともに味会わせていただこうと思っています。

【確認事項】このページは、鹿児島教区の若手僧侶が「日頃考えていることやご門徒の方々にお伝えしたいことを発表する場がほしい」との要望を受けて鹿児島教区懇談会が提供しているスペースです。したがって、掲載内容がそのまま鹿児島教区懇談会の総意ではないことを付記しておきます。