みんなに話したくなる桜島のヒミツ(前期)活火山「桜島」の歴史

ご講師:福島 大輔 さん(NPO法人桜島ミージアム理事長)

桜島というと、みなさんは何を思い浮かべられますか。

大根やみかんなども有名ですが、やはり桜島といえば火山です。

しかもただの火山ではありません。

とても活発な活動を続ける活火山です。

活火山とは、過去1万年以内に噴火したことのある火山をいいます。

火山の寿命は長く、数十万年から百万年程度といわれています。

人間の平均寿命が80年ぐらいとすると、火山の寿命は80万年ぐらいであると思っていただければよいかと思います。

現在、日本には活火山が111ケ所あります。

日本の面積は世界の面積の0.3%程度しかないのに、活火山の数は世界の10%もあり、日本はまさに火山大国なのです。

その中で鹿児島県に11ケ所の活火山がありますので、日本全体の10%程度とすると、世界の1%の活火山はこの鹿児島県にあるということになります。

日本で一番活火山の多い都道府県は、意外ですが東京都なんですよ。

東京都は南北に長く、小笠原諸島など南の島まですべて東京都だからです。

2番は北海道ですが、半分ぐらいは北方領土にあり、東京都と北海道の活火山は簡単には見にいけない場所が多いのです。

鹿児島県は数の多さとしては3番ですが、ほとんどの活火山を近くで見ることができます。

その中でも特に身近なのが桜島です。

桜島はこれまで60年間ぐらいずっと活動を続けていて、平均すると1年に150回くらい爆発しています。

普通の山と火山とではどこが違うかというと、九州山地や北・南アルプスなどの山々は両側から押されて中央が盛り上がって形成されているのに対し、火山はマグマが噴火して、溶岩や軽石や火山灰などの噴出物が積み重なってできます。

桜島も噴火を繰り返して今のような山になりました。

そして数百年に一度大噴火が発生しています。

桜島は、2つの火山が南北に連なり合体してできた複合火山で、もともとは富士山のような形をした山でした。

現在の北岳です。

5千年ほど前まで活動していましたが、そのあと新しくマグマが南の方に上がってきて噴火し、北岳と同じくらいの高さまで積もってできたのが南岳です。

現在活発に活動しているのは南岳です。

北岳と南岳が南北に並んでいて、鹿児島市街地から見ると横長に見えます。

しかし、角度を変えて違う場所から眺めると形が違って見えます。

姶良や国分の方からはきれいな三角形に、垂水方面からも富士山のような形に見えるんです。

どちらの火山が古いかは山肌を見ただけでも判別できます火山の山肌と人間の肌はよく似ていて、古い方がシワが太くて深いのです。

北岳を見ると幅が広く深い谷ができています。

南岳の方はシワはありますが浅くて細いです。

雨風による浸食の年数差が顕著です。

火山でどんな噴火の歴史があったかを調べる際は、軽石の地層と黒い当時の地面が謎を解く鍵になります。

大噴火をすると軽石がいっきに積もります。

大噴火をしていないときは何も積もりません。

徐々に草が生え、土が上の方に重なっていきます。

土と土の間に軽石の地層が1つあるということは大噴火が1回あったという証拠になります。

軽石の地層を数えると噴火が今までに何回起ったかということが分かるわけです。