法事の席でいただく食事を「お斎(とき)」と呼びます。
お斎とはもともと、出家者が食事を許された朝から正午までの間にとる食事のことを言いましたが、これが転じて法事の際の食事をさすようになりました。
お斎も法事の一部だと思っていますので、お仏壇がある部屋でいただき、僧侶もお斎の席につかせていただくのが本来の形でありましょう。また、お料理は精進料理がよろしいでしょう。
やはり生き物を殺すことは罪であり、殺される生き物たちの悲しみに深く心を痛めるのが仏さまのお心です。この世のお勤めを終えられてお浄土で仏さまになられた方も「私の命日くらいは殺生をしないでくれよ」と思われているのではないかなと思うのです。
そして、先立った方との思い出話に花を咲かせながら、僧侶がお説教で話した阿弥陀さまの温もり、浄土の温もりを振り返りながら、先立った○○さんとまた会えるんだねと慶びを語り合いたいものです。
とは言うものの、法事やお斎のスタイルも時代の流れによって変わっていっているようです。家で法事を勤めるところは減り、お寺で法事をされる方が増えてきました。お斎は、お寺の近くの料理屋さんに行かれるようです。お斎の席で肉や魚の入った料理が振る舞われることも多くなりました。
お斎がどんな形になろうとも、法事の一部であることを忘れないようにしたいものです。