最近よく聞かれるのが、法事の予約をされる時に、
「お布施の金額はどのくらいしたら良いのですか。」
ということです。
またその時に、お布施のことを
「お経代」
とか
「謝礼金」
と言われる
こともよくあります。
しかし、一般に住職に聞かれても、具体的な金額を言われることはほとんどないのではないでしょうか。
なぜなら、本来お布施とはお釈迦さまの時代から仏教徒がなすべき実践行の一つとされたものだからです。
布施には、仏さまの教えや慈悲の心を伝えていく
「法施」
と、仏さまの教えを生きる上での拠りどころとする人々が、仏教教団を護持していくためにお金や物など、自分のできる範囲で行う
「財施」
があります。
これらを布施行といいますが、
「法施」
は仏さまの教えを伝えていく役割を担う僧侶が行い、
「財施」
は教えを聞く信者の方々が行っていかれたことで、仏教は今日まで受け伝えられてきました。
したがって、布施は教えを伝える僧侶でも、教えを聞く人々のどちらも決めることではないのです。
私が仏さまの教えを聞き、多くの人々に伝わるように、仏法の護持と興隆を願い実行する心が布施行であり、そのことを踏まえて、私自身の判断で決め、誠意をもってお寺に進んで納めることが大事なのです。
お布施の金額は、あなた自身がその心をもって決めることが大切だといえます。