浄土真宗のお参りの作法として示されているのは、合掌して“南無阿弥陀仏”とお念仏を称え、礼拝するという在り方です。
この場合、お念仏を称えずに黙って礼拝する黙念という作法はありません。
合掌する時は、必ず声に出して
「ナモアミダブツ」
と、お念仏申しましょう。
声に出すことは、称えている私が阿弥陀仏の願い、はたらきを聞かせて頂いているのです。
「歎異抄」
という書物の中に、念仏は称えるものにとって、自力のはからいによって行う“行”ではなく、自力のはからいによって努める“善”でもないと記されてあります。
阿弥陀仏の“我にまかせよ、必ず救う”という願いが具体的なはたらきとなって私に届いているのが、南無阿弥陀仏のお念仏です。
私の口から出るお念仏ですが、実は阿弥陀仏のはたらきが私に届き、称えさせていただいているのです。
また、一般に私たちは自分で勝手にはからって、たくさん称えたり、心をこめて称える必要があるかのように思ってしまいますが、念仏とは阿弥陀仏からのはたらきそのものですから、称える回数などは関係ありません。
仏さまにお参りする際には、お念珠を手にして、合掌し、心静かにお念仏申させていただきましょう。
その声の中に阿弥陀仏のはたらきを感じ、感謝の気持ちで礼拝する姿が大切です。